きらきらひかる(原田宗亮)

きらきらひかる(原田宗亮)

きらきらひかる(原田宗亮)


新年にふさわしく、きらびやかなお話をしたいと思います。
左官のものというと基本的には無機素材が多く、
マットな表現(つや消し)を要求されることが多いですが、
骨材や工法を検討すればキラキラ光らせることが可能です。
もちろん左官材自体が発光や発色するわけではないので、
人が壁や床を見ながら移動したときの光の反射でキラキラ光る作用があるということです。

代表的なもので、モルタルにガラスを入れるというものがあります。
当社のホームページでも紹介していますが、ガラスを入れた洗い出しがこちらです。
こちらは昨年の12月に某住宅設計事務所様の依頼で施工されました。



特殊なカットガラスなので、
通常のガラスよりエッジが取れていて安全性があります。
床で使用することが多いですが、歩くと空の明るさや照明などの光を反射し、
それらの光がキラキラ光り非常にきれいです。

また、洗い出しではなく、「研ぎ出す」という方法もあります。
こちらの場合、左官工法ですとガラスの大きさに限界があり、
それほど大きなものは入れられませんが、天然の骨材とは違った風合いがあり、面白いです。
ブルーやイエローのガラスもあります。

 

写真は鉱石(タイガーアイ)を使用した研ぎ出し仕上げです。
以前、様々な種類の鉱石を散りばめた壁を施工したのをヒントに、研ぎ出し仕上げを考案しました。
鉱石が持つ奥深い輝きが非常にきれいです。

壁でキラキラ光らせたい場合、モルタルにこだわらず、
珪藻土、漆喰、樹脂系左官材などに骨材を混ぜて再現できます。

珪藻土+色ガラス

四国化成工業から出ている「けいそうモダンコート」シリーズに
色ガラスを混ぜた仕上げがあります。
施工後そのままだとガラスが隠れてしまうので、
施工後にコテバケなどで軽く洗い出す必要があります。
色もブルーや茶色、緑などのバリエーションがあり、珪藻土自体も約60色から選択できます。

漆喰+ラメ

原田左官工業所の本社ビル応接室の天井です。
オリジナル漆喰・フルーフレを施工後、乾かないうちにラメを吹き付けます。
あまり多いとくどくなるので程よい量に抑える事がポイントです。

樹脂系左官材+ラメ

 

アイカ工業株式会社の主力製品であるジョリパットにラメを吹き付けています。
こちらの商品は様々な色に光るので背景の黒とあいまって非常にきれいです。

漆喰黒壁+ラメ(社長イチ押しの自信作)

 

黒漆喰にラメを吹き付けてあります。
漆喰をただ平滑に仕上げるのではなく、クシで模様を付けてその上にラメを吹き付けました。
和室などの一面の壁にワンポイントでアクセント的に使用できる仕上げになると思います。

既存の材料に光るものを入れるという考え方ではなく、
光る素材だけで固めてしまおうというやり方もあります。
ガラスビーズを透明な樹脂で固めています。

アイカ工業「ジョリパット素材シリーズ・ゼロシリーズ」
http://www.aica.co.jp/products/fill-w/jolypate/zero/

透明のビーズを使用しているので下地が透けて見えます。
そのため、下地に色をつけておけばその色がガラスビーズ越しに見えます。

 

極小のビーズを透明の樹脂で固めています。
当社本社ビル1Fのショールームのオブジェであるドーム天井もこの技法で施工しています。
下地を白から青のグラデーションで施工した後にガラスビーズのコーティングをかけています。

 

間接照明を当てる事によりほのかに全体的にぼんやりと光ります。
強い光の部分はまさに「きらきらひかる」とても美しく、
左官の新たな可能性を感じさせる仕上げです。

また、塗り壁のうえにメタリックの塗装をかけるというやり方もあります。

四国化成工業・「メタルファス」
デジタルカタログ「メタルファス」ページ

メタルファスの特徴はいかにも塗装したかのような艶が出ない事と、
塗装後もベースとなる珪藻土の調湿効果がある事です。
実際施工しましたが非常に施工性も良好だし、第一インパクトがあって非常に好評でした。

最後に、蓄光材を使ってほのかに光らせる方法をご紹介します。
蓄光材とは光エネルギーを吸収して、暗闇で徐々に光を放出する材料です。
左官で使用する場合は蓄光の塗料や粉を使うのはあまりお勧めできません。
左官材が2~5mm程度厚みがあり、
光らせる効果を出すために大量に蓄光材を使用する必要が出てしまうためです。
通常の左官材に混入する場合は、
蓄光の骨材がお勧めです。

 

蓄光骨材を混入する方法
ある程度厚みが付く左官材でも蓄光材が骨材になっていて、
ある程度の大きさがあるため表面に出てくる部分が多くその結果、光って見えます。

粉体や液体の蓄光材の場合、
厚みがある左官材に混入しても表面に出てくる部分が少ないと光が弱かったり、
光らなかったりします。
そういう場合は、薄塗りの左官材を選ばれると良いと思います。
当社で過去に施工した事例です。

 

超薄塗りの石灰クリームに液体の蓄光塗料を混ぜて光らせました。
残念ながら光っている写真は無いのですが、
お店がクローズして照明が消えると雪の結晶の白い部分が、
ほのかに発色をしながらゆらゆら動いていてロマンチックでした。


施工内容につきましては下地等の条件により上記内容での施工が出来ない場合があります。
ご了承ください。
詳細な施工や施工条件はお問合せください。


最後までお読みいただきありがとうございます。
今回は予告と違う内容になってしまいましたが、
次号では漆喰と珪藻土の違いなどをわかりやすくお話できればと思います。お楽しみに。

お問合せ先

有限会社原田左官工業所
113-0022 東京都文京区千駄木4-21-1
電話番号:03-3821-4969 FAX番号03-3824-3533

左官のミライ通信「Sakan Concierge(左官案内人)」

発行元:有限会社原田左官工業所・株式会社エイチアール
発行責任者:有限会社原田左官工業所 原田宗亮
HomePage:http://www.haradasakan.co.jp/
メールアドレス:sakan@haradasakan.co.jp

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