内装の防水(サンエーシート)について

内装の防水(サンエーシート)について

内装の防水(サンエーシート防水)について(原田宗亮)


今回は内装の防水(サンエーシート防水)についてです。

当社は内装施工が多く、現在、防水はサンエーシートという
EVAシート湿式複合シート防水を主流に施工しています。

当社がいろいろな防水を施工していて、現在サンエーシートを使うようになったのは、
内装の防水にとても向いているからなのですが、その点も含めて説明してきます。

今回の話は防水の中でも内装の室内防水に絞って説明をします。
防水と言えば、建築業界ではアスファルト防水が主流です。
耐用年数が長いことと昔から施工されており、信頼性があるので今でも主流になっています。
アスファルト防水でも熱工法、冷工法など種類があるのですが、
火気使用だったり、臭いが出たりと新築はともかく、あまり内装現場では向いていないものが多いです。
また、ベランダ防水などではFRP防水が多いですが、工程数が多いことと非常に臭いが強い、
またその後、モルタル等の施工がしにくいのでやはり内装の防水には向いていません。

防水工事の施工例などはこちら
Webカタログ:防水工事
https://www.haradasakan.co.jp/webcatalog/webcatabosui/

では、どんな防水が内装現場で一般的に行われているかというと、以下のものがあります。

アスファルト防水冷工法
アスファルト防水トーチ工法
ウレタン塗膜防水
ポリマーセメント防水
アスファルト系複合防水
EVAシート湿式複合防水(サンエーシート等)

それぞれの長所・短所を下の表にまとめました。



臭いを出せない、火気を使えないという現場の制約を考えると、
内装現場では
ポリマーセメント系防水、アスファルト系複合防水、EVAシート湿式複合防水が使用しやすいです。
ただし、ポリマーセメント系の防水に関しては、
一層ではクラックに対して抵抗が弱いので、
塗り重ねが必要であり、施工日数が何日か掛かります。

なので、現在、室内防水としてお勧めなのは、
アスファルト系複合防水、EVAシート湿式複合防水です。
複合防水というのは2種類の防水を複合させて防水するのものです。
1種類の防水の欠点を別の防水でカバーしています。
アスファルト系複合防水ではシート防水と塗膜防水の複合防水になっており、
EVAシート湿式複合防水はシート防水とセメント防水の複合防水になっています。

2つの防水の差は下地の乾燥期間と防水後のモルタルの施工しやすさに違いがあります。
アスファルト系複合防水は
アスファルト系のシートとエマルジョン系の塗膜防水の複合防水です。
基本がアスファルト防水なので、下地の乾燥期間が必要で、
施工後、防水の上にモルタルも直接は乗りません。
トンボを付け、ラス網を結束してモルタルを塗るようにします。


(これがトンボです。ラス網を貼るとき、通常はステープルで貼りますが、防水層を傷つけることはできないのでトンボをコーキングなどで接着し、これにラスを結束します。)




EVAシート湿式複合防水はシート防水とセメント防水の複合防水です。
簡単に言うとシートの溶着をセメント防水で行っています。
セメントでシートを貼っているようなイメージです。
この「セメントを使用して貼る」というのがポイントで、
水で練ったセメントを使用するため、下地が湿っていても防水をすることが出来ます。
また、シートが起毛してあり、セメントがよく絡むようになっているので、
防水施工後に防水層に直接、保護モルタルを塗ることが出来ます。(ラス網が不要。)

整理すると、EVAシート湿式複合防水の利点は

1.臭いが出ない、火気を使用しない
2.下地の完全乾燥が不用(工期が短縮できる)
3.防水層に直接、保護モルタルが施工できる

という点です。

非常に内装の防水に向いている商品ということがお分かり頂けると思います。
当社ではEVAシート湿式複合防水の中でも「サンエーシート」という商品を使っています。



また、この利点に加え、
原田左官の場合は当社の左官職人が「サンエーシート」を施工するので、
一つの現場で何人もの職人が出入りするのではなく、
同じ職人が続けて入ることが出来ます。

例えば、厨房を作るのに初めに間仕切り、

1.CBを積み
2.防水下地を取り
3.その中に防水を施工して
4.そこに保護モルタルをする


という4つの工程の中をそれぞれ専門職に頼むと、
3人から4人の職人が日替わりで出入りするようになりますが、
当社の場合は1人の職人で全て施工することが出来ます。

これはサンエーシート防水がセメントを使用する防水なので、
非常に左官職人向きだということと、
当社が目指している職人の多能工化という点が合致して可能になっていることです。


(当社の多能工化の例です。)

とはいえ、全てのものが長所があれば短所もあります。
EVAシート湿式複合防水の欠点は3次曲面(球体など)への施工が難しいことです。
これはシート防水全般に言えることなのですが、
シートを貼って防水層とするため、
3次曲面のものにはシートが巻きにくく、施工がしにくいのです。
3次曲面のものにはハケ等で塗れる塗膜防水などがお勧めです。
(ゆるやかな3次曲面は施工できますのでご安心下さい)

厨房や浴室を作るのにほとんど3次曲面は出てきませんので、
やはり内装の防水を行う場合はEVAシート湿式複合防水(サンエーシート)がお勧めです。

サンエーシートのHPはこちら
ハセガワケミカル:サンエーシート
http://www.sanasheet.com/


最後までお読みいただきありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

お問合せ先

有限会社原田左官工業所
113-0022 東京都文京区千駄木4-21-1
電話番号:03-3821-4969 FAX番号03-3824-3533

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