なぜテディベア?廃材に物語を宿す「アップサイクル左官」と次世代のテクスチャ
代表の原田です。
原田左官工業所のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
サステナビリティと高い意匠性の両立が求められる時代のなかで、私たちが提案したいのは「物語を宿す、自由な表現力を持った仕上げ材」の可能性です。
先日、当社職人の玉置が東京国際フォーラムで開催された「日本テディベア with Friends コンベンション」にオリジナル作品を出展しました。


「左官職人がテディベアの展示会に?」と思われるかもしれません。
しかし、一見異色に見えるこの試みには、造形の自由度と素材再生を融合させた、まったく新しいデザインのヒントが隠されています。
■ 布由来の特殊マテリアルが生み出す、やわらかな質感
今回の作品では、加工性に優れ自由な形を削り出せる軽量下地材(EPS)を用い、その表面に布をルーツとする2つの再生左官材を塗り重ねました。
- ヌルデニム: 不要になったデニム生地を再利用した意匠材。特有のインディゴカラーとやわらかな粒感が残り、一目で引き込まれる独創的な表情を生み出します。
- 530ウォール: 服飾の布端材をリサイクルした環境配慮型マテリアル。左官でありながら触れたくなるようなソフトで温かみのある肌触りが特徴です。


両方の素材は販売元の日本エムテクス様から支給していただきました。
コンベンション用に仕立てたマント姿のくまちゃんは、通常の左官材とは違い、包み込むような「やわらかくあたたかい」質感を職人技で実現しています。


「これ、左官で塗られているの?」と多くの方が触れて確かめたくなるような、不思議な存在感を放っていました。
■ 空間のコンセプトを補強する「素材のストーリー」
施設や店舗の演出、ブランドのアイデンティティを表現するディスプレイにおいて、「どのような素材でできているか」というストーリーは欠かせない要素です。
デニムやファブリックの廃材を鏝一本で自由に塗り上げるこの工法なら、環境へのメッセージを美しく具現化できるだけでなく、以下のような多彩なアイデアへと展開できます。
- 複雑な曲線を多用した、シームレスなレセプションカウンターやベンチ
- コンセプトを象徴する、世界にひとつだけのディスプレイ什器や特注家具
- 異素材の風合いをダイレクトに感じる、アートパネルや立体オブジェ
「平面(壁)」から「立体(プロダクト・家具)」へ。
左官仕上げであれば、継ぎ目のない連続性と、手仕事が生み出す温もり、そしてアップサイクル素材のストーリー性を持たせることが出来ます。
「こんな形状に、こんな質感をまとわせたい」
「独自の廃棄物を使って特注の仕上げができないか」
といったイメージをカタチにする手段として、ご興味を持っていただければ嬉しく思います。

[日本テディベア with Friends コンベンション 公式サイト]
https://www.jteddy.net/convention/
[素材サンプル・特注施工に関するお問い合わせはこちら]
https://www.haradasakan.co.jp/contact/works_form.php
この記事を書いた人
有限会社原田左官工業所代表の原田。
二級施工管理技士/左官基幹技能者/タイル検定二級。
(一社)日本左官業組合連合会監事及び青年部の副部長。
左官の講習会やワークショップを企画・開催し、左官の啓蒙活動を行っている。
建設業界のダイバーシティを推進し、女性の左官業界への参加の手助けや新しい人材の採用育成に力を入れている。
著書に「新たなプロの育て方」㈱クロスメディアマーケティング
「世界で一番やさしい左官」㈱エクスナレッジ

























