原田左官のブログ

人材育成

海外に技能伝承:漆喰でインドの食糧問題に挑む—持続可能な未来への挑戦

投稿日:2026年03月30日 (月)
カテゴリー: 人材育成

工事管理部の新里です。
建築・デザインに携わる皆様に、私たちが今取り組んでいる、未来に向けた重要なプロジェクトについてご報告します。
インドの食糧保存という課題に対し、日本の左官技術で解決に近づけるというプロジェクトです。

電気に頼らない、漆喰による持続可能な食糧保存策

このプロジェクト、具体的には日本の漆喰を活用することで、食糧を長持ちさせようという取り組みです。
インドの一部地域では、40℃を超える酷暑や高い湿度に加え、不安定な電力インフラによる頻繁な停電が課題です。冷蔵保存が困難な環境では、収穫した野菜がすぐに傷み、食品ロスが多発しています。

この問題に対し、我々のお客様である川崎陸送様が日本で古くから土蔵などに使われてきた「漆喰」に着目しました。漆喰の高い調湿性、抗菌作用、断熱性という特性を最大限に活かし、電気に頼りすぎない「漆喰の食糧備蓄倉庫」を現地に構築することで、食品ロスの削減を目指しています。

この事業は、単に倉庫を建設するだけに留まりません。現地の職人たちが自ら施工・メンテナンスを行えるよう、左官技術を根付かせることが最終的な目的です。

技術交流と現地への挑戦

その第一歩として、1月にインドからワーカーのリシュケシュさんが来日し、原田左官の職人と1週間の技術研修を行いました。

インドのリシュケシュさん
リシュケシュさんの壁塗りトレーニング

インドの建築は石や煉瓦を積み上げ、そこに塗っていくという厚壁が主流で、現在の日本の左官技術とは鏝や道具の扱い方に違いがあります。
研修では、日本式の鏝の扱い方から漆喰塗りの基本を集中的に指導を行いました。

リシュケシュさんの壁塗りトレーニング
リシュケシュさんの壁塗りトレーニング

リシュケシュさんは非常に熱心に取り組み、初日は慣れなかった鏝捌きも、研修が終わる1週間後には、きれいに壁を塗り上げられるまでに上達しました。
短い期間ながら、現地で技術を担う存在としての彼の強い意識と集中力に、私たちも大きな感銘を受けました。

今後、原田左官の社員4名がリシュケシュさんの待つインド現地へ向かいます。
現地の環境に合わせた漆喰の調合、そして技術定着に向けた課題解決に、現場で力を注いでいく予定です。

設計、空間デザイン、建築に携わる皆様も、持続可能な社会づくりという共通のテーマをお持ちのことと思います。
日本の伝統技術が、国境を越えて地球規模の課題解決に貢献するこの挑戦を、どうか温かい目で見守り、応援していただけると幸いです。
本活動の進捗については、今後もこのブログでお伝えしてまいります。
続報にご期待ください。


この記事を書いた人
新里善輝

有限会社原田左官工業所 工事管理部 新里善輝
建材メーカー・商社の経験を経て左官の世界へ入る。学べば学ぶほど左官やタイルの奥深さを知り、左官タイル沼にハマっている。旅をこよなく愛し、バックパッカーとしてアジアを旅した経験がある。

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