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左官のミライ通信

ヒビ引き鏝(原田宗亮)

投稿日:2016年02月29日 (月)

 ヒビ引き鏝(原田宗亮)

 

ヒビ引きという鏝(こて)があります。
主に床のモルタルなどに筋を入れる仕上げなのですが、
最近、モルタル素地仕上げの床にヒビ引きで施工することが多くなっています。

このヒビ引きというのはモルタルを打設して金鏝押さえをして、
乗れるような状態になってからヒビ引き鏝で筋を入れていきます。
モルタルに筋を入れる方法としては他にも目地棒で目地を取ったり、
伸縮目地を入れるという方法もありますが、
このヒビ引きという方法も味があり、よく好まれて採用されています。
地方により「しびつき鏝」「しび引き鏝」と呼び名があります。

これがヒビ引きの鏝です。





押さえる部分に突起があり、この部分がモルタルに入り込んで筋を付けます。
この部分が台形のものとV型のものがあり、それによって筋の形状が変わります。

次は墨モルタルのヒビ引きの見本を作っている風景です。





完成形です。



ちょっとラフに仕上がっています。

こちらは現場施工の模様です。



直線だけでなく、型を工夫して作成すれば、曲線のヒビ引きも施工することが出来ます。
白モルタルの曲線ヒビ引きのサンプルです。



ここ数年、アパレルの店舗で使用されることが多くなっています。
意外と身近なお店で施工されているかもしれません。
ショッピングセンターなどに行かれるときは、
是非、モルタルの床にも注目してみてください。

ちょっとお知らせ
 私、原田宗亮がこの度、左官の本を執筆しました。
「世界で一番やさしい左官」と題する本で、エクスナレッジ社より発売されます。
タイトル通り分かりやすい左官の本にしたいと思っています。
発売は2月から3月の予定です。
なかなかわかりづらい左官の世界をできるだけ簡単に説明したいと思っていますので、
書店で見かけましたら、是非、お手にとって見てください。
写真などのカラーページに力を入れています。



最後までお読みいただきありがとうございます。次号もお楽しみに。

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