技術資料 ひび割れが出にくい石膏ボード下地
代表の原田です。
現代の内装下地のほとんどは石膏ボードです。
でもボードのジョイントでクラックが入ってしまうと非常に残念ですよね。
その原因のほとんどは石膏ボードの動きのよるもので、仕上げ側では対処できない場合が多いです。
では出来るだけ仕上げ面にクラックが入らない石膏ボード下地を作るにはどうすれば良いか?
このようなご質問をいただくことが多いので、今回は左官仕上げに適した石膏ボード下地についてお伝えします。
石膏ボードは現在大きく分けて2つの工法があります。
- 木製下地(木軸下地)
- 軽量鉄骨下地
(その他、GL貼り工法というものもありますが、使用頻度は少ないと思いますので、今回は割愛します。)
まず、大選定として、石膏ボードは板材なので、ジョイントで割れてしまうことがほとんどです。ジョイントで動いてしまうことを少なくし、クラックを防ぐ必要があります。
そのため、石膏ボードを2層貼ることがクラック対策として有効です。
ボードのジョイントをずらし、12.5mm等の厚みのある石膏ボードで2層貼りをしてしっかりジョイントが動かないように止めるというのが有効な対策です。
その上で、各下地での説明になります。
① 木製下地(木軸下地)
石膏ボードの厚みは12.5mm以上が理想です。(厚い方がやはり割れにくいです。)
木造の建物は木による乾燥収縮があるため、左官用下地はジョイントが動かないようビスピッチを細かく打つことをお勧めしています。
①−1
木製下地の場合、木の下地の間隔は455mmが理想です。
①−2
ビスのピッチや留め付けは、左官用では周辺部100mm、一般部150mmで留めてもらう事が推奨となっています。
(建築工事標準仕様書及び石膏ボード施工マニュアルでは、一般壁においては、周辺部200mm、一般部300mmとなっていますが、木造の乾燥収縮があるため、左官用下地はより細かいピッチが推奨されています。)
①−3
できるだけ天井まで一枚で張れるサイズのボードを使用してもらう。
現在は長さ2400程度の石膏ボードもあるため、水平ジョイントが発生しない下地を作ることが理想です。
水平ジョイントがある時は、横胴縁を設け、千鳥張りにしてもらうことが望ましいです。

※出典:日本左官業組合連合会WEBサイトより
② 軽量鉄骨下地
軽量鉄骨下地は横胴縁がないため、横ジョイントでボードを固定することができないのが、ひび割れの大きな原因です。
そのため、下記の対策が有効になります。
②-1
石膏ボードで横ジョイントを作らないように、天井までの長さの石膏ボードを張る。
②-2
石膏ボードを2枚張りにしてもらう。ただし、この時、下張りと上張りの石膏ボードのジョイントをずらす。

※出典:日本左官業組合連合会WEBサイトより
また、やむを得ず長さ1800mmの石膏ボード1層貼りで行う場合は、ジョイントをずらして貼ることをお勧めします。

※出典:日本左官業組合連合会WEBサイトより
また開口部は特に割れやすい箇所のため、ボードの角、ジョイントが通らないように加工をして貼っていただくとかなりクラックが入りにくくなります。

※出典:日本左官業組合連合会WEBサイトより
クラックは施工の要因、建物の要因、近隣の道路・地盤の要因等、さまざまな原因で発生するため、いずれの方法も完全に防げるわけではありません。
しかし、上記の方法をとると、我々の経験上、かなりクラックの発生を防ぐことができます。
工務店様、建築会社様の施工コストに関わる部分でもあるので、元請け様にお任せせざるを得ない部分もありますが、折角左官仕上げを行うのであれば、出来るだけクラックの入らない施工を心がけたいです。
我々左官業者からのご提案になりますので、施工の際はご一考いただければと思います。
出典:石膏ボード施工マニュアル
湿式仕上げ技術センター
日本左官業組合連合会
しっくいまるわかり大辞典WEBサイト
この記事を書いた人
有限会社原田左官工業所代表の原田。
二級施工管理技士/左官基幹技能者/タイル検定二級。
(一社)日本左官業組合連合会監事及び青年部の副部長。
左官の講習会やワークショップを企画・開催し、左官の啓蒙活動を行っている。
建設業界のダイバーシティを推進し、女性の左官業界への参加の手助けや新しい人材の採用育成に力を入れている。
著書に「新たなプロの育て方」㈱クロスメディアマーケティング
「世界で一番やさしい左官」㈱エクスナレッジ
























