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左官のミライ通信

廃棄物を「意匠」へ。次世代循環型素材「.Garbon」が変える左官の可能性

投稿日:2026年04月14日 (火)
カテゴリー: 特殊左官工事

代表の原田です。

今回は、設計・デザインの現場でいま最も求められている「ストーリーのある素材選び」の決定版ともいえる、次世代のアップサイクル技術「.Garbon(ガーボン)」と左官の組み合わせとその可能性についてお伝えします。

「.Garbon(ガーボン)」を入れた左官仕上げの例

ポリーブルにガーボンを入れた仕上げサンプル
(ポリーブル.Garbon(ガーボン)を入れた仕上げ)

「捨てる」を「創る」へ。 .Garbonとは?

.Garbonは、「今ある“廃棄物”から、次世代の“素材”をつくる」を掲げる循環型ブランドです。 最大の特徴は、あらゆる廃棄物を独自の技術で「炭化」させる点にあります。

炭化は単なる焼却処分と違い、炭化はCO2排出量を約30〜50%削減できる環境性能を持ち、生成された「炭」を新しい素材として再活用することを可能にします。

これが「.Garbon(ガーボン)」。炭の塊です。

炭の固まり「.Garbon(ガーボン)」の粒度大
炭の固まり「.Garbon(ガーボン)」の粒度小

素材により、粒度の種類があります。

なぜ「炭化」がデザインの武器になるのか

これまで分別や再生が難しかった廃棄物(廃プラスチック、混紡衣類、食糧残渣など)も、炭にすることで均一な「機能性素材」へと生まれ変わります。

  • 多孔質構造による機能性: 消臭・抗菌・調湿・遠赤外線効果。
  • 情緒的なストーリー: 「自社ビルから出た廃材が、エントランスの壁に宿る」という圧倒的な文脈を作ることができる。
  • デザイン性: 炭特有の深みのある黒や、骨材としてのテクスチャー表現が可能。

「.Garbon」を導入する4つのメリット

プロジェクトに「.Garbon」を組み込むことは、単なるエコ活動以上の価値を空間にもたらします。

メリット内容
環境負荷の低減焼却に比べCO2を大幅削減。LEEDやCASBEE等の評価にも寄与。
資源循環の可視化施主様の廃棄物を「有価物」に変え、コスト削減とPRを両立。
独自の空間表現炭化物の粒度を調整することで、唯一無二の左官仕上げを実現。
圧倒的なPR力「この壁は、以前の店舗什器からできている」という物語が、空間の付加価値を最大化。

【新提案】.Garbon × 左官材プロジェクト

原田左官では、この.Garbon(ガーボン)を左官材に配合するカスタマイズ提案を行っています。

活用アイデアの一例

①自社廃材から作る「シグネチャー・ウォール」

オフィス移転や店舗リニューアルで出る廃材(木くず、プラスチック等)を回収し、炭化。それを樹脂系左官材と混ぜ合わせ、新しい空間の壁面やカウンターとして仕上げます。

②クライアントから出る廃材を炭化し、歴史を引き継ぐ仕上げを作る

クライアントのブランド変更等で使用しなくなったユニフォームを炭化し、左官材を混ぜ合わせることで、企業の歴史と記憶を引き継ぐ壁面、床面仕上げを行うことができます。

「自分たちの過去を資材にして、未来を塗る」。そんな唯一無二のプロジェクトを形にすることができます。

.Garbon(ガーボンは炭化した骨材なので、やはり黒系の仕上がりになります。

仕上げの例

①「.Garbon」+オルトレマテリア

ガーボンとオルトレマテリアを使った黒系の左官サンプル
ガーボンとオルトレマテリアを使った黒系の左官サンプル

.Garbonの黒が基材に移り込み、骨材としてだけでなく、基材に混ざりこんで全体的にグレー色になっています。

②「.Garbon」+プラスタル(ポリーブル)

ポリーブルとガーボン使った左官仕上げサンプル
ポリーブルにガーボンを入れた仕上げサンプル

.Garbonをプラスタルという基材で固め、表面に研磨をかけた仕上げ方です。
プラスタルと.Garbonは混ざり合わず、骨材が粒として印象的な仕上げになっています。

実装に向けたステップ

「この素材は炭にできる?」という検証から、実施工までトータルでサポートします。

  • 炭化PoCプラン(検証)
    お客様の廃棄物から最も効率の良い炭化条件を検証。実装に向けたオペレーションを構築します。(有償での対応になります。)
  • 資源循環プラン(実装)
    廃棄物を炭化し、ニーズに合わせた高付加価値な左官材や建材へ加工・提供します。

物語を塗る、という選択

これからの空間づくりにおいて、素材は「見た目」だけでなく「出自」が問われる時代です。

.Garbonという技術を通じ、廃棄物を「負の遺産」から「クリエイティブな源泉」へと変えるお手伝いをさせてください。

「この廃材、何かに使えないか?」

そんなアイディアの種がございましたら、ぜひ原田左官へご相談ください。

資料請求や具体的な炭化可能素材のリストをご希望の方は、お気軽にお問い合わせいただければと思います。
お仕事に関するお問い合わせページ


この記事を書いた人
原田宗亮

有限会社原田左官工業所代表の原田。
二級施工管理技士/左官基幹技能者/タイル検定二級。
(一社)日本左官業組合連合会監事及び青年部の副部長。
左官の講習会やワークショップを企画・開催し、左官の啓蒙活動を行っている。
建設業界のダイバーシティを推進し、女性の左官業界への参加の手助けや新しい人材の採用育成に力を入れている。
著書に「新たなプロの育て方」㈱クロスメディアマーケティング
「世界で一番やさしい左官」㈱エクスナレッジ

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