左官で地元貢献! - 7層の版築置物

左官で地元貢献! - 7層の版築置物

今回は版築工法で小物を作ったお話です。
ご縁を頂いて、私たちの地元である、動坂町会70周年の記念品として版築小物を作成しました。

塗り版築の置物
(版築の小物 動坂町会依頼)

我々の左官という仕事は建築業の中の専門工事業です。専門工事のため、施主様から直接仕事を頼まれることは少なく、なかなか地元での繋がりを持ちにくい職種です。

建設会社さんを通じて仕事をするため、表に顔を出すことが少なく、地元の方とつながりをあまり持てていませんでした。

当社は文京区千駄木にあり、道具材料を車に積んでから現場に向かいます。
朝早く積み込みもするので、いつも音などで近所の方にご迷惑をかけてしまい、申し訳なく思っておりました。

社員で周辺道路を清掃していますが、地元貢献といえるほどではなく、地域に対して何もできてないと感じていたところ、

このようなお話を頂きこれは、良い機会だと思い、喜んで引き受けさせていただきました。

製作物は協議の結果、版築の小物に決定しました。
ペン立て、ペットボトル置き、いろいろな用途に対応できるよう、少し広めで高さが8㎝程度のものになっています。

塗り版築の置物にペットボトルを入れた状態

今回の制作は『動坂町会の70周年』を記念して作るものです。動坂にまつわるもの、70という数字を折り込みたいと考え、版築でできることを考えました。

まず、版築は層を重ねて作るものなので、7層の仕上がりとしました。10年ごとの歴史を積み上げて7層の版築仕上げになっています。

塗り版築の置物を手で持っている
(7層の版築仕上げ 動坂町会記念品)

色は動坂にまつわるものから取りました。動坂というと「一富士二鷹三茄子」の由来の地。富士山の白、鷹の茶色、茄子の紺色を版築に使用しています。また、この地域の不忍通りには昔都電が通っていました。都電の黄色も取り入れています。版築の材料を練る水は町会内に湧く地下水を一部使用しています。

製作したの数はなんと370ケ。
空き時間に当社の中島さんを中心にいろんなメンバーで仕上げていきました。

塗り版築の置物の制作場面

普段、現場では大きな壁面などを仕上げていますので、ちょっと勝手が違うところもありますが、
一つ一つ、楽しみながら丁寧に仕上げます。

塗り版築の置物の制作場面

左官の中でもこういうコツコツと行っていく作業が好きな人もいます。
大きいものでも小さいものでもきれいに仕上がると達成感があります。

仕上がりはこちら。

塗り版築の置物3つ

この置物、いっぱい並んでいる状態を見ると、はちょっと見ごたえがあります。

いっぱい並んでいる塗り版築の置物

古来からある版築という積み重ねる工法がこの置物にも活かされています。

いっぱい並んでいる塗り版築の置物

いっぱい並んでいる塗り版築の置物

いっぱい並んでいる塗り版築の置物を上から見た様子

町内会長さんをはじめ、役員さんに当社までお越しいただき、一つずつ丁寧に箱に入れていただきまし
た。

塗り版築の置物の梱包

塗り版築の置物の梱包

箱の中には動坂町会70周年記念の説明書きと文京区長からのメッセージが入っています。

動坂町会70周年記念の説明書きと文京区長からのメッセージ

動坂町会70周年記念品の塗り版築の置物と説明書き

10年ごと積み重ねての70年。
地元の方からお話をいただき、この記念品に携わることが出来て当社としても非常にうれしく思います。

版築工法はこのほかにも、様々な小物なども作ることが出来ます。
あなたのアイデアを活かして、一緒に版築の製品を作ってみませんか?

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この記事を書いた人
原田宗亮

有限会社原田左官工業所代表の原田。
二級施工管理技士/左官基幹技能者/タイル検定二級。
(一社)日本左官業組合連合会監事及び青年部の副部長。
左官の講習会やワークショップを企画・開催し、左官の啓蒙活動を行っている。
建設業界のダイバーシティを推進し、女性の左官業界への参加の手助けや新しい人材の採用育成に力を入れている。
著書に「新たなプロの育て方」㈱クロスメディアマーケティング
「世界で一番やさしい左官」㈱エクスナレッジ

お問合せ先

有限会社原田左官工業所
113-0022 東京都文京区千駄木4-21-1
電話番号:03-3821-4969 FAX番号03-3824-3533

左官のミライ通信「Sakan Concierge(左官案内人)」

発行元:有限会社原田左官工業所・株式会社エイチアール
発行責任者:有限会社原田左官工業所 原田宗亮
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