竈(かまど)について

竈(かまど)について

竈(かまど)について (原田宗亮)

 

今回は竈(かまど)についてお話をさせていただきます。

かまど=地域によっては「へっつい」「くど」。
台所は女性が預かる場所なので丁寧な言葉で「おくどさん」とも言います。


(大江戸左官祭りの土中塗り状態の竈)

今、自宅に竈がある方はかなり少ないと思いますが、
竈は元々、左官で作っていました。
(一部竈の仕事を専門でされていた方もいたようです。)
何故かというと、
日本の竈は土で作るため、鏝を使う左官が作成するのに向いていたからだと言われています。
また、竈は土の磨き仕上げや漆喰磨き、モルタルや洗い出し仕上げなど左官の技術で仕上げることも多く、
左官なら1人で竈を完成させることが出来るので、左官に向いている仕事です。


(富沢建材 伊勢磨き講習会の模様。鏝でしっかり押さえ、磨き。最後は手ごすりをします。)


(富沢建材 伊勢磨き講習会 完成写真)

住宅の竈は土で丸く成型をしてそのままの仕上げにすることもありましたが、
お店の竈などは漆喰や土の磨き仕上げ、時には洗い出しや研ぎ出しなどできれいに仕上げることも多く、
竈の仕事は左官屋の腕の見せ所でもありました。


(松木名人 大江戸左官祭りにて 伊勢磨き)


(西川名人 大江戸左官祭りにて 伊勢磨き)


(荒木名人 大江戸左官祭りにて 洗い出し仕上げ)


(中屋敷左官工業 テラゾー仕上げ)

立体的で丸い竈の形状は左官の技でないと作り出せないものです。

竈は団子状にした泥を積み上げてつくるか、
木枠に土を流し込んで下地を作り、その上に仕上げを施すのが昔式のやり方でしたが、
現在では耐火煉瓦を使って竈を作ることもあります。




(耐火煉瓦を使用した竈 墨モルタル金ゴテ仕上げ)

現在は、和風の飲食店などに火を入れない竈をディスプレイ的に作ることもあります。
(ガスや電気コンロで温めるものや始めから火を入れない陳列用のものなど)
その場合、熱が掛からないので、仕上げ材選択の制約はなくなるのですが、
個人的には、やはり竈ですから、煮炊き出来るものを作りたいと思います。

また、現在、原田左官では卓上の竈を作っています。

これは名古屋の勇建工業さんが考え出した竈で、
土と漆喰の良さを再認識してもらいたいということで、
有志の左官屋さんたちで全国で作っています。


(名古屋での漆喰竈講習会の模様)

200角サイズの一合炊きの竈    18,000円(税込)
300角サイズの二合炊き・三合炊きの竈 35,000-40,000円(税込)

固形燃料やアルコールランプで火加減を気にせず、
簡単に竈で炊いたふっくらご飯を炊くことが出来ます。



固形燃料やアルコールランプは煙も出ないので室内でも使用できます。

竈で炊いたご飯は、
空けた瞬間、本当にご飯が立っていてふっくらとして、びっくりするくらいおいしいです。


動画:漆喰竈によるご飯の炊き上がり(1合炊)

かまどは発送もしていますので、ご興味がある方は是非、ご連絡下さい。


最後までお読みいただきありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

お問合せ先

有限会社原田左官工業所
113-0022 東京都文京区千駄木4-21-1
電話番号:03-3821-4969 FAX番号03-3824-3533

左官のミライ通信「Sakan Concierge(左官案内人)」

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