設計士に役立つ情報をお届け

左官のミライ通信

美しき伝統「梨地肌」を現代の空間へ。原田左官オリジナル土仕上げ「風土~FUUDO~」の新シリーズ『玄土』

投稿日:2026年09月15日 (火)

はじめまして。
原田左官工業所 広報担当のNです。

突然ではございますが、
今回は「風土~FUUDO~」の新シリーズについてご紹介させて頂きます。

天然の土が持つ優しい風合いと、現代建築に求められる高い表面強度。
これらを兼ね備えた土の仕上げ材として、これまで多くのお客様にご好評をいただいている当社オリジナルの仕上げ材「風土~FUUDO~」。

この度、風土の新ラインナップが誕生いたしました 。

名前は『玄土(げんど)』です。

今回は、茶室に息づく伝統的な美意識を現代の空間へ蘇らせる「玄土(げんど)」の魅力と、改めて注目していきたい土壁の可能性について、ご紹介します 。

土の個性がそのままに。まずは「玄土」のラインナップをご紹介

色鮮やかな表情から、深みのあるアースカラー、現代の空間に馴染む温もりあるニュアンスカラー(くすみ色)まで。
土本来の彩りを活かした多様なラインナップを画像にてご紹介いたします。

聚楽土を使った玄土シリーズの風土仕上げ
聚楽土
京錆土を使った玄土シリーズの風土仕上げ
京錆土
浅葱土を使った玄土シリーズの風土仕上げ
浅葱土
紅土を使った玄土シリーズの風土仕上げ
紅土
黄土を使った玄土シリーズの風土仕上げ
黄土
広陵白土を使った玄土シリーズの風土仕上げ
広陵白土
群青土を使った玄土シリーズの風土仕上げ
群青土
中途土を使った玄土シリーズの風土仕上げ
中途土
白土を使った玄土シリーズの風土仕上げ
白土
紅花土を使った玄土シリーズの風土仕上げ
紅花土
稲荷山土を使った玄土シリーズの風土仕上げ
稲荷山土

茶室の静寂を纏う、新仕上げ「玄土(げんど)」とは?

新シリーズ「玄土(げんど)」は、風土が持つ「高い表面強度」はそのまま残し、伝統的な茶室の土壁に見られる「梨地肌(なしじはだ)」や「砂目(すなめ)」の質感を緻密に表現した仕上げです。

「梨地肌(なしじはだ)」とは?

果物の梨の皮のように、細かくザラザラ・ボコボコとした微細な凹凸がある塗り壁の仕上げや質感のことです。

その表面の細かい凹凸が光を適度に乱反射させるため、ツヤが消えマットな質感になります。

「砂目(すなめ)」とは?

土に混ぜられた細かな砂の粒子(骨材)が、はっきりと表面に美しく浮き出て揃っている状態のこと。

左官材料に混ぜ込まれた砂や小石の「粒感」をあえて強調することで、自然な土・石の風合いを引き出す仕上げ方です。

茶室に好まれる「聚楽壁(糊土仕上げ)」などは、土にみじん砂や藁スサ、海藻糊を混ぜて職人の手によって丹念に塗り上げられます。

あえて表面に意図的な粗さ(テクスチャー)を残すことで、光のギラつきを抑え、静かで優しい影を生み出し、また深みのある色合いや質感を通して、空間に落ち着きと温かみを生み出します。

「玄土(げんど)」は、この日本古来の奥ゆかしい美学を、現代のライフスタイルに合わせて美しく再現できる画期的な仕上げ材です。

≪聚楽土参考画像≫

聚楽土を使った玄土シリーズの風土仕上げ

古きを知る:土壁が持つ、優れた機能性

私たちが改めて「土」という素材に向き合うのは、その美しさだけでなく、日本古来の土壁が持つ素晴らしい機能性があるからです。

土・藁・砂・水というシンプルな自然素材だけで作られた土壁には、現代の暮らしにも必要な知恵が詰まっています。

そこで、ここでは「土壁」がもつ機能性についてご紹介します。

  • 調湿作用: 土壁の最大の強みは、空間の湿度を自動的に調整してくれることです。 湿気が多い時は水分を吸収し、乾燥時には放出する、まさに「呼吸する壁」です。
  • 蓄熱・断熱: 土は熱を伝えにくい性質(断熱性)を持っています。さらに、一度温まったり冷えたりするとその温度を長く保つ性質(蓄熱性)も併せ持っています。 そのため、夏は涼しく、冬は温かさを保ち、室内の温度をゆるやかに安定させます。
  • 防火・脱臭: 土自体が不燃材であると同時に、シックハウス症候群の原因となる化学物質を吸着・分解する力も持っています。

「玄土(げんど)」は、ハイテクな設備がなくとも、自然の呼吸で心地よい空気感を生み出してくれる。環境にも人にも優しい、究極のサステナブル素材です。

新しきを知る:現代の技術で進化した、これからの土壁

一方で、伝統的な土壁には「施工に時間がかかる」「表面がボロボロと落ちやすい」という現代建築における弱点もありました。しかし、今の左官技術と材料は大きく進化しています。

例えば、自然素材100%のものに微量の水性樹脂を加え、ボロボロと剥がれ落ちるのを防ぎ、非常に扱いやすくするという手法を左官施工店や左官のメーカーさんの仕上げ材でも行われてきています。

そうすることで風合いを損なわず、強度を上げ、現代の空間でも扱いやすいものにしています。

こうした技術の進化を遂げ、今や土壁は和室だけのものではありません。

コンクリートやガラスといった無機質な現代建築の素材に、土壁の柔らかなテクスチャを融合させる「和モダン」なデザインが、ホテルやカフェ、洗練された住宅で新しい空間を生み出しています。

≪風土 龍安寺の土壁風仕上げ≫

寿司九十に施工した龍安寺の土壁風の風土仕上げ壁
寿司九十の龍安寺土壁風の風土仕上げ壁
(店舗:寿司九十/撮影:千葉 圭子/KEIKO CHIBA)

伝統の美を、現代の強度で。「玄土(げんど)」をぜひお試しください。

伝統的な土壁の優美な陰翳を表現しながら、商業施設や現代の住空間でも安心してお使いいただける表面強度を両立させた「玄土(げんど)」。

光の当たり方で表情を変えるその繊細な質感を、ぜひ実際の空間でご体感いただきたい仕上がりです。

今回の件で、土壁に興味を持っていただいた方がいらっしゃいましたら、サンプル制作のご依頼や施工に関するご相談を承っておりますので、どうぞお気軽に原田左官までお問い合わせ頂けたらと思います。

皆さまからのこだわりや疑問点などのお問い合わせを心よりお待ちしております。

お問い合わせはこちらから
お仕事に関するお問い合わせフォーム

この記事を書いた人
業務部広報担当M.N

前職はwebサイトの運用をしていて左官についての知識はほぼありませんでした。
原田左官に広報として入社後、
左官を広めるために学べば学ぶほど左官に魅了され、
現在は率先して左官&広報活動について勉強中です。
まだまだ至らない点が多々ありますが、どうぞよろしくお願いします。

ページの先頭に戻る