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左官のミライ通信

ワークショップレポート「手仕事×廃材活用」が子供たちの視点を変える理由

投稿日:2026年10月13日 (火)

昨今、さまざまな業界で「SDGs」や「環境配慮」という言葉を耳にするようになりました。私たち原田左官工業所も、廃材を左官の材料として活かす「アップサイクル」の取り組みに力を入れています。

では、なぜ私たちが左官に廃材を使おうと思ったのか。そして、なぜここまでアップサイクルに情熱を注ぐようになったのか。

今回のミライ通信では、その原点となったある出来事と、私たちのモノづくりへの想いをお伝えします。

GINZA SIXでの挑戦:廃材が輝く「洗い出し」体験

私たちがアップサイクルの大きな可能性に気づくきっかけとなったのは、ある子供向けワークショップでした。

7月25日(土)~26日(日)、GINZA SIXにてクリエイティブスタジオwe+様とのコラボレーションにより、子供向けワークショップ≪すてるものが、うまれかわる。 — Waste, Reborn. — ≫が開催されました。

GINZA SIXで行ったクリエイティブスタジオwe+様の子供向けワークショップ「すてるものが、うまれかわる。 — Waste, Reborn. — 」の記念撮影
(Photography: Kai Tada)

日々大量に出るゴミの行方を学びつつ、本来なら廃棄されるはずだった廃材(リサイクル骨材)を左官材に混ぜ込み、コテを使って世界に一つだけの花瓶を作るという試みです。

左官材で花瓶を作る子供向けワークショップ
(Photography: Kai Tada)
左官材で花瓶を作る子供向けワークショップ
(Photography: Kai Tada)
左官材で花瓶を作る子供向けワークショップ
(Photography: Kai Tada)
ワークショップで洗い出し技法で花瓶を作っている
(Photography: Kai Tada)

このワークショップの最大の見せ場として、私たちは左官体験としては初の試みとなる「洗い出し仕上げ」の技法を取り入れました。

ワークショップで洗い出し技法で花瓶を作っている

自らの小さな手で花瓶の表面を洗い流していくと、泥のような左官材の中に隠れていたリサイクル骨材がふっと浮かび上がります。素材によってはキラリと光を放ち、先ほどまで「ゴミ」と呼ばれていたものが、息を呑むほど美しい模様へと変化したのです。

もはや廃棄される運命だった素材が入っているとは信じがたいほど立派な作品へと生まれ変わり、子供たちだけでなく、見守っていた保護者の方々からも感嘆の声が漏れました。

洗い出し技法で作った花瓶

なぜ「手仕事×廃材活用」が子供たちの視点を変えるのか。 それは、「不要なゴミ」が「価値ある美しい素材」へと劇的に生まれ変わる瞬間を、他でもない自分自身の手と目で直接体感できるからです。

「リサイクルは大切」という言葉で教わる以上に、この手仕事を通じた驚きと感動の体験こそが、環境へ配慮する心や、より良い未来を築くための小さな種として、子供たちの中に深く根付いていくのだと確信しています。

ワークショップの模様をもう少し詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
■ワークショップ「SCUOLA GINZA SIX × we+ 見えない価値を発見する、『Waste, Reborn.』」に参加しました

左官は究極の「ローカル&アップサイクル」

左官は元来、土や砂など、自然の素材を活かし、再び自然に還るものを扱う伝統技術です。しかし、現代社会では日々大量の廃棄物が生まれています。

私たちがその「役目を終えたもの」に目を向けたのは、廃材が決して単なるゴミではなく、左官の表現を劇的に広げる「魅力的な素材」だと気づいたからです。

砕かれたガラスや陶器の欠片、不要になった骨材などを左官材に練り込む。すると、均一な工業製品には決して出せない、予測不能で豊かな表情が壁や造形物に生まれます。

私たちにとって廃材を使うことは、環境への配慮というだけでなく、空間に唯一無二の個性を与えるための「新しいデザインへの挑戦」なのです。

お茶の葉入りのプラスタル塗り版築壁(アップサイクルの施工例)
(アップサイクルの施工例:お茶の葉入りのプラスタル塗り版築※)

左官が果たす、これからの役割

私たちの「ものづくり」の技法は、空間を美しく仕上げるためだけでなく、未来の環境をより良くする力を持っています。

GINZA SIXで、「ただのゴミ」が「宝物」へと劇的に変わる瞬間を目の当たりにした時、私たちは強く実感しました。

左官の技術には、「不要なものを、価値ある美しいものへ変える力」がある。

単に形を変えて再利用する「リサイクル」ではなく、職人の手仕事とデザインの力で、元の価値以上のものを生み出す「アップサイクル」であることに大きな意味があります。

捨てられるはずだったものに新たな命を吹き込み、人々の視点や心を動かすこと。それが、過去から受け継いだ左官の技術を用いて、私たちがより良い未来(ミライ)へ貢献できる最良の形だと信じています。

不要なものが、手仕事によって価値ある美しい素材へと生まれ変わる。

これからも原田左官工業所は、この驚きと感動の体験を一つでも多く生み出し、未来を築くための小さな種を蒔き続けていきます。

最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。

■アップサイクルの施工事例記事はこちら

■お仕事に関するお問い合わせフォーム

※お茶の入りプラスタル塗り版築写真クレジット情報
物件名 :株式会社あいや 第二米津工場オフィス
デザイン:株式会社乃村工藝社
設計施工:山旺建設株式会社
制作管理:ubushina
写真  :吉村昌也

この記事を書いた人
業務部広報担当M.N

前職はwebサイトの運用をしていて左官についての知識はほぼありませんでした。
原田左官に広報として入社後、
左官を広めるために学べば学ぶほど左官に魅了され、
現在は率先して左官&広報活動について勉強中です。
まだまだ至らない点が多々ありますが、どうぞよろしくお願いします。

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